2022年度秋季旅行報告

実施日 11月16日(水)~18日(金)

参加者 青木俊哉・令夫人、飯沼克之、巽正典、綱川寿夫・絢子、長岡弘

    野並伸行・令夫人、萩原千和子、細田拓、堀一雄、松沢公夫

    宮入一芳・令夫人、山本裕二・令夫人、和田浩一・令夫人、金子努

 1日目は、ANA981便にて、佐賀空港に11:20到着、迎えの観光バスに乗車して、最初に我が母校創設者大隈重信候生家と記念館を見学いたしました。記念館にて、老侯の「憲政に於ける与論の勢」と題された吹込みレコードを拝聴、「であるんである」という特徴的な語調に、何もかも言いまくってしまうような弁舌と感じる。まさに当時天下の耳目を新たにしたものかと思いました。

お昼は、老侯が佐賀に帰省された折、立寄られた料亭「楊柳亭」で食材を選りすぐった会席料理をいただきました。また、この楊柳亭は、昭和24年全国を行幸された昭和天皇が、佐賀に立寄られた折も、御駐泊所となる栄誉に浴しています。

 この時期は、どうしても紅葉の名所を訪れたい、実業家の別邸の庭園である九年庵に向かう。時間の制限のなか、途中にある吉野ケ里遺跡をみたいという参加者の声に車窓からだけという愚挙でもありました。寒暖の差が激しい地域の紅葉とは、些か異にしていたように感じ、責に少し丈が縮みました。

 この日の宿は、嬉野温泉の「茶心の宿和楽園」に取りました。こぢんまりとした旅館です、お風呂は名高い美肌の湯、御茶所からか珍しい茶風呂でありました。

全国旅行支援でホテルからいただいたクーポンで嬉野茶を買い求めました。

2日目は、ホテルからバスを走らせること30分ほどで、有田の皿山通りにある「香蘭社有田本店」に立寄りました。鑑賞するにも尺度を持ち合わせていない凡夫にも、高い鑑定を付けられる気をさせられる磁器の数々を照覧できました。

次は、鍋島藩の御用窯が有田から移された焼き物の里として栄えた伊万里の大川内山での散策。次に向かったのは、「文禄・慶長の役」の陣屋として、秀吉によって築かれた17万㎡に渉る平山城の名護屋城です。波戸岬の丘陵に最盛期には、人口10万を超えるほど繁栄したということです。歴史上、人為的に破却された城跡でありますが、その状況が復元保存されています。建物は、この後訪れる唐津城に寺沢広高によって移築されたと伝わります。イベント開催中の「黄金の茶室」も見物し、時の権力者の桁違いのスケールに驚くばかりでした。お昼は、いか料理で有名な呼子です。いかが不漁と聞き及んでいますが、1人1杯ではなく、グラムで提供されるようになったそうで、寂れてしまうのではないかと心配だ。玄界灘を左手にしてバスは走り、唐津城へ、天守閣からは玄界灘、虹の松原が眺望でき、老眼の保養になりました。この城へ上がる坂道の左手に早稲田大学系属佐賀高校があります、手持ちがないので表敬訪問はしませんでした。以前この地で、学生たちから元気な挨拶を受けたことがあり、50%しか上がれないとのこと、大学への進学が無事できますこと祈るばかりです。本丸の西南海岸沿いの老侯が招かれたこともある佐賀の杵島炭鉱主の邸宅である高取邸を見学しました。約2300坪の敷地に近代和風建築の特色ある建物で、大広間には能舞台を設けるなど独特です。杉戸絵や欄間などの意匠にも見どころ多い。老侯用?に設えた有田焼スタイルの洋風なトイレもありました。虹の松原を車中から過ごし、一路宿を摂った博多へ、ホテルは私の博多での定宿の博多エクセル東急ホテル。各自夕食までの時間を、散策等で費やし、いざ「水炊き長野」へ。白濁スープに鶏肉や野菜を炊き、門外不出秘伝の酢醤油でいただく、つまみに手羽煮込み、唐揚げ、スモークチキンを加えても、さすが博多は安い。二次会は、有志とクラブ、〆はおじや食べたのに「一矢」で博多ラーメン。

 3日目になりました。定番の太宰府天満宮と「日本文化の形成をアジア的観点から捉える」という視点で最後に開館された国立博物館の九州博物館を見学・見物いたしましました。再開されての修学旅行の学生達が多く、日常に戻ったかのようでした。近くにある天下3戒壇と呼ばれ正式な僧侶として必要な戒律を授かるために遠方からも多くの出家者が訪れたといわれる観世音寺では、宝殿には、九州最大級の重要文化財としての仏教彫刻が安置、展示されておりました。

ここでは、仏教に蘊蓄溢れる堀さんからの説明に皆さんが耳を傾けておられました。最後は、篠栗の真言宗別格本山の南蔵院へ。安置されている釈迦涅槃像は全長41M、高さ11Mのブロンズ製で、世界でも最大級とされているそうです。因みに、住職は宝くじで高額当選を続けたということで有名です。

 時間の制約のなか、他にも訪れたかった、もう少しゆっくり見学したかったなど、思うことが多かったと存じます、どうかご容赦頂きたいと存じます。

                      旅行部会長 金子 努